兄弟の相続問題はどうしてトラブルになるのか(part2)
1 前回のコラムの続きです。相続の問題は往々にして兄弟間のトラブルであるため、普通の裁判や法的紛争よりずっと根が深いです。それでは、相続の兄弟間トラブルの原因とそれを未然に防ぐ弁護士のアドバイスを記載します。
2 身内であるが故に、遠慮なく不満をぶつけあってしまう。
兄弟は一つ屋根の下で生活してきた身内です。身内ですから、赤の他人よりずっと相手方の怠惰な面も知っていますし、軽い親不孝行為や、若いころの不貞行為だったり、はては表に出せないような男女関係といった様々な事情をお互い良く知っています。これらの相手方の落ち度は、本来は相続と関係ないものばかりですが、相続の場で喧嘩になると、これを持ち出してくる兄弟がいて、ますます感情的になり収用がつかなくなってしまいます。
全く知らない赤の他人であれば、普通言わないような文句や相手を侮辱するような言葉をつい言ってしまう。これも兄弟の相続でもめる一つの原因です。
(弁護士のアドバイス2)
※相続の話し合いの場面で、絶対に兄弟の昔の悪行などを持ち出さない約束をお互いにする。相手の悪口を言っても、自分の相続分は増えない。かえって解決に時間がかかる。
3 力関係がある。
兄弟は基本的に年長者が上という力関係があります。(もっとも成長するにつれ、この力関係が逆転してしまい、声が大きい人が出てくるともっと話が複雑化します。)
これらの力関係を前提に、年長のほうがどちらかというと、自分が多く取ろうとする人もいて、これが相続で揉める原因になったりします。実は兄弟の年長者も、自分で全部消費するつもりはなく、妹や弟が困ったときに配分してあげようという考えの人もいますが、やはり他の兄弟としては平等に分けてもらいたいと願うものです。また、法律では兄弟の相続分は基本的に平等です。弁護士が付いたり遺産分割調停や審判になれば、年長者が多く取るという主張は通りません。
(弁護士のアドバイス3)
声が大きい人、年長者は財産を無理に多く取ろうとしない。少なくしかもらえなかった兄弟は兄弟が相続分を沢山取っていった事をずっと恨んでいることもある。
声が小さい人、納得のいかない人は弁護士に相談する。遺産分割調停・審判をする。声の小さい人のために法律がある。